凍る？凍らない⁉︎冬のナイアガラの滝

1月下旬から2月にかけて、例年ナイアガラの滝が一番寒くなる時期です。2022-23そして2023-24と2年暖冬が続いた後、この冬は近年にない極寒となっています。

さて、ナイアガラの滝は凍っているでしょうか？

ナイアガラの滝は凍らない

ナイアガラ公園の動画でもご覧いただけたように、この極寒の中でも滝自体が凍結することはありません。

ただし滝の水しぶきが周辺に凍りつき白銀の世界となります。特にアメリカ滝の足元に転がる岩に凍りついた水しぶきは、徐々に巨大化しアメリカ滝を覆い隠すほどです。

2017年に凍ったナイアガラの滝でアイスクライミングに成功といったニュースがありましたが、これも実際に登ったのは滝ではなく水しぶきが凍りついたカナダ滝の横の岩壁でした。

氷点下の日が続くとアイスブリッジと呼ばれる現象が起こります。ナイアガラ川を流れてきた氷が滝に落ち、浮かび上がった氷塊が滝壺を覆い尽くします。

人々はこの氷でできた橋を行き交い、1880年代からは飲み物や食べ物を売る屋台も置かれるほど、ナイアガラの滝の冬の名物となりました。

1912年2月4日に氷が決壊し観光客3人が亡くなるという事故があり、その後このアイスブリッジに降りることは禁じられています。

1848年3月29日に、ナイアガラの滝が流れを止めたという記録があります。

強風がエリー湖の氷原を動かし、何百万トンもの氷が流れ出すナイアガラ川の水路を完全にふさいでしまったのです。

耳に馴染んだ滝の音が聞こえてこない不気味な静寂に、教会へ走り祈りを捧げた人も少なくありませんでした。逆に、むき出しになった流域を歩いてみるような冒険者もいました。

氷のダムが決壊し、再び滝に流れが戻ったのは30時間後のことだったそうです。

よく「まるでフローズンの世界」と言われる冬のナイアガラの滝。寒いところは寒い時がきれいです。ぜひ冬のナイアガラの滝へお越しください。

観光シーズン中に比べると、航空券も宿泊料金も冬料金で割安になっています。暖かいホテルの部屋から、氷に覆われた滝をのんびり眺めるのも、冬ならではの贅沢というものです。